出会い系サイトを体験して生じる利用者からのクレームには妥当なものもありますが、そうではないものも多くあります。出会うという目的を実現させるためには、我々利用者も出会い系を利用する心づもりを変える必要があるのです。

出会い系のサクラと現在の状況や「出会い系で出会うことは難しいことではない」でも説明した通り、運営者側の問題(サクラや不正請求など)と、それが要因となって引き起こしてきた利用者側の問題が複合的に重なった結果、出会い系サイトには本来の「異性同士の出会いの場」としての機能を正常に果たしていないという面が少なからずあります。

このうち、運営者側の姿勢や提供するサービスの内容については、我々出会い系の利用者が小さな声を上げるだけでは改善を促せる見込みはあまりないので、この点について「ああでもない、こうでもない」と論じることは、残念ながら大きな意味をもちません。

しかし、そうした運営者側の問題が据え置かれた状態のままでも、我々利用者の出会い系に対する意識や考え方を変えるだけでも出会い系サイトで上手に出会うという目標を達成する確率を高めることは決して不可能ではありません。その具体的な出会い系に対する考え方について論じる前に、我々利用者の側の問題とはいったい何かということについて整理しておきましょう。

利用者のニーズ-「できるだけ手軽に、早く」

恋人を探す、新しいパートナーを見つけるなど、出会い系を利用する人の目的は人によって異なりますが、共通しているのは「できるだけ手軽に、そして早く出会う」ということです。この考え方自体は、インターネットを使ったサービスであればどんなジャンルのサービスでも求められるものなので、直接的な問題となる要素ではありません。

たとえば、ネットショッピングを利用する場合でも、できるだけ簡単に、欲しい商品をできるだけ早く入手しようとして買い物をするのが一般的です。それは、リアルの世界にはない、目的達成までのスピードの早さが最大の魅力であるインターネットの世界ではごく当たり前のことです。

では、なぜネットショッピングや他のオンラインサービスと異なり出会い系サイトだけが、利用者から多くのクレームを受けたりするのでしょうか?実はここにこそ、出会い系サイトの運営者側と利用者側の問題点が集約されています。

出会い系利用者が抱く不満の妥当性

出会い系において利用者からクレームが多い背景には、多くの場合サクラの存在があります。つまり、出会えるとしながら出会えないことが理由で利用者が満足感を得ることができないということです。

また、他の要因としては、法外な利用料金を支払うことになったり、料金を支払ったにも関わらず出会えないという場合も利用者からクレームが出るパターンです。

いずれにしても、利用者が利用する前に抱いている目的とサイトを体験して得られた結果に著しいギャップが生じているのが大きな特徴です。

しかし、そのクレーム自体は本当に妥当なものなのでしょうか?
これまであまり語られてこなかったこのことについて出会い系サイトにおける代表的なシーンを例にとりながら少し掘り下げてみることにしましょう。

サクラの存在が要因となるクレーム1 有料サイトの場合

有料サイトの場合、サクラが存在することで出会えないとなれば、利用者が不満を抱くのはごく自然のことです。これはサクラ詐欺の典型でもあり、なおかつ出会い系サイトの利用を通じて最も多く寄せられるクレームです。利用者側が出会い系に対して無料であることを必要以上に求めるようになった理由は、こういった詐欺的な手法で利用者を欺くサイトが非常に多かったためです。

サクラの存在が要因となるクレーム2 無料サイトの場合

たとえ無料であってもサクラがいれば文句を言いたくなるのが利用者の心理ですが、出会い系の場合はそのクレームの度合いが強いのが特徴です。本来は「無料」で利用させてもらっているわけですから文句のつけようがありません。それにも関わらず無料の出会い系サイトにおけるこうしたサクラ被害のクレームが多い理由には、“異性間の出会いが基本的には性的な欲求に基づいたものである”ということが大きな要因としてあるのです。

しかし、当然これは利用者個々人の問題であって、本来はクレームをつけるべきではないケースとも言えるでしょう。なぜなら、安かろう悪かろうというのはある意味では当然であり、そもそも利用しなければいいだけの話だからです。

サクラがいないサイトにおけるクレーム

では、これらに対しサクラがいない出会い系サイトにおいてはクレームが起きないかというと決してそんなことはありません。先ほども指摘したように、異性間の出会いが本能的な欲求に基づくニーズであることが理由となって、出会えない場合にはたとえサクラいなくて出会えるようになっているサイトでも利用者からの不満の声は届くこととなります。しかし、これは冷静に考えると不当なものであることが分かります。

このように、様々なシーンにおいて我々利用者は、出会い系サイトに対して不満を募らせるわけですが、サクラがいる有料サイトのケースは論外として、その他のケースにおいては、不当に不満を抱くことが多いという側面があります。無料で利用しながら出会えないことに対するクレームをつけるのは、その最たる例と言えるでしょう。これはネットショッピングに置き換えると、「無料で欲しいものを手に入れる」ということですから、そのニーズに妥当性が少ないということが分かります。

つまり、我々利用者が抱える問題とは、“出会い系サイトに対して必要以上の期待をする”ということにあります。本来、出会い系サイトは異性間の出会いをリアルな手段(合コンや紹介など)よりも手軽に、そして早く実現させるための便利なサービスですから、我々もそれ相応の対価を支払う心づもりでいなければなりません。そして、そうした心づもりを不満に変えないためにもサクラがいない出会い系を適切に選ぶ必要があるわけです。

出会い系と言えば、とかくできれば無料サイトで恋人などを手軽に作りたいという気持ちになりがちですが、見方によっては、それは我々利用者の勝手な虫のいい願望に過ぎないとも言えます。詐欺的は手法を用いる悪質なサイトは、まさにこの勝手な利用者のニーズを逆手に取って様々な搾取の罠を仕掛けてくるのです。そのことを考慮に入れると、たとえ有料であったとしても安全性が保証された、サクラがいない出会い系を使うことの方が「出会う」という目的を達成するためには、遙かに効率的であることが分かるのではないでしょうか?